数学のノーベル賞と言われる「フィールズ賞」を受け取った数学教授のジェラルド・ランボーは、ある日生徒たちに難問を出題した。「解いたものは良い点数をもらえるだけでなく、権威ある新聞に光栄にも名を記される」と自信満々に生徒達に嘯いたのだった。しかしランボーの考えとは裏腹に難題を解いたものがいた。目から鱗だったランボーは次の授業で称賛をしようと思ったが彼は現れなかった。おそらくランボーは彼は天才かまぐれかを確かめたかったのか教師達が2年かかって証明した問題を再び出題したのだった。それを一晩で解く人間、それがウィル・ハンティング(マット・デイモン)だった。彼は孤児で、大学の清掃員アルバイトとして働いており、なんとアルバイトの隙間時間で廊下に書かれたランボーの難題を一晩で解いてしまったのだ。まさに天才の出現である。しかし、天才である傍ら彼には鑑別所入りを繰り返す素行の悪い青年であった。ランボーはウィルを更生させるため学生時代の同級生ショーン・マグワイアにカウンセリングを依頼するが、ウィルはショーンの悲しい過去に触れてしまいショーンを傷つけてしまう。ショーンは過去に最愛の妻を病気で亡くしていたのだった。
私もそうですが、誰しも人には言いたくないことはあると思います。そんなとき共感してくれる人や同じ境遇の人がいたら安心しますよね。ウィルのように私も人を傷つけてしまったことも何回もあります。しかしそれは「ここまでなら言ってもいいだろう」という自分のルールなのか感覚があるからだと思います。それは言われた側にはわかりません。言われてからはじめてその言葉と言葉の意図を汲み取ります。ウィルは人を傷つけてしまった自分にはじめて気づき徐々に成長していく様が描かれています。人が心を開く瞬間が見れるのがこの映画です。